碧空3374 nautilus1717(種と個の中間の断面)
3374 nautilus1717(種と個の中間の断面)
遊弋する大地(Earth )の浮上の気配は、月から見た青い惑星とは何かまるで違う。ガリレオなら一体の種の如く予期していたはずの月の空に浮かぶ惑星の映像は後れて来る「私」の遠近法に包まれて、青い惑星は「私」を乗せていない。しかし、ガガーリン中尉がボストーク1号から見た青みがかった星は1961年の地球であるから、1961年の「私」を乗せているはずだ、というふうに場所の場所が浮上して、遠近法が異常になる。それが、遊弋する大地(Earth )の浮上の気配である。巷に出回っている、月の空に浮かぶ惑星の映像が撮影された瞬間に、「私」は踏み切りでも渡っていたのだろうか。「私」のことは他の誰かのことになる!
この、同時に異なる場所を占める位置異常の気配は、誰もいない部屋を呑み込んだ鏡の気配に匹敵する。月の空に浮かぶ青い惑星は誰もいない月を呑み込んで、誰もいない部屋を呑み込んだ鏡の如く、宇宙空間にエコーしている。LITTLE NURSEの掌中のMentholatum からLITTLE NURSEが涌き出す如く、この、誰もいないまでに誰でもない位置異常は、種と個の中間の断面である。
個に先立つはずの種が個に後れて来る天空性の断面では、部分が全体を代表する(あるいは、全体が部分の振りをする)というように次元減数する。個は、場所となって潜伏して個を出来事にする種を映し出す媒体であるが、この中間の断面は、大きさの異常でもある。


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