Tuesday, November 27, 2012

碧痕250 中間突破しない決意

250 中間突破しない決意  「私」というものの抽象としての意識(関心を絞る覗き穴)は、「私」というものも「私」というものを鎧う生体も制圧しきれないが、意識が「私」というものや生体を代表する限りで、それは選択である。  意識が戻る、これは平均化の(中間突破の)効果としての現実を回復することであり、記憶を喪失していても、それは選択的に、関心の届かない闇や地下があるというに過ぎず、そこに不随意に息づいているのは、神経の損傷・変成というより、中間突破しない決意である。  「博士の愛した(eのπi乗が-1であるような)数式」が、その夢でもあれば写真でもあり言葉でもあるような或る女体が、星や素粒子の寿命を鎧わないように、博士は呪術的に記憶の寿命を削り落として、決意し続ける。すなわち、博士は震えている。

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