碧空1071 明鏡止水、持ち主のいない原罪
1071 明鏡止水、持ち主のいない原罪
虚構の野心が虚構の気配を消した究極の私小説であるとすれば、ヨクナパトーファには、そのように騙す気はなく騙されている振りをするのであり、他の何かとなって写す限りでヨクナパトーファ・サーガは他の誰かとなって話し始め、SartorisやSnopesや他の誰かとなって想起する献身なのである。
この献身に呼び出された片隅の、跳躍する個々の「私」に持ち主はいない。この、片隅が(片隅を、であるかのように)写し出す明鏡止水は持ち主のいない原罪と区別がつかない。
こうして、擬似脱皮する犯人の彷徨と犯人探しの区別がおかされるのである。(碧空1070)


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