Wednesday, August 05, 2020

碧空1821 nautilus164(忍び寄る不安は「一セント銅貨の味」を目指す)

1821 nautilus164(忍び寄る不安は「一セント銅貨の味」を目指す)  「ふっと不安が忍び寄って来て、それは舌の下に含んだ一セント銅貨の味がした」(「Hannibal」T.Harris)  ふっと既視感が忍び寄って来て、しかし既視感ではなく、Hemingway の何処かで、この「銅貨の味」に触れたのだ。失いたくないものを突然失うことは、どのようにしてやって来るのか。夜間巡回に出掛けるピックアップ・トラックのテイルライトが次第に遠ざかっていく、といった観想に感応して、それはやって来る。観想とは、つかまえどころなく逃れ易い偶然の個や悪や偽といった症状の韜晦を明快にする畸形化である。それは、部分が全体を代表するような単純化(提喩的)というよりは、出現すると同時に潜伏する目的化(暗喩的)である。  観想は遠隔感応する。「一セント銅貨の味」は、Hemingway の何処かと「Hannibal」との間で遠隔感応した、忍び寄る不安の観念なのである。つまり、metamorphosis が潜伏したものを目指すように、忍び寄る不安は「一セント銅貨の味」を目指す。

0 Comments:

Post a Comment

<< Home