Sunday, May 25, 2025

碧空3563 nautilus1906(漠とした道の誘導)

3563 nautilus1906(漠とした道の誘導)  岩に向かってしか誇れない廓然大悟の如く、真にも偽にも不足する漠とした道に誘導された小説技法は虚構の気配を消す超絶技巧であるが、分業の社会的な奉仕からは脱落する。せいぜい岩に向かって誇るのである。  「晩年」の、その白鳥の歌が太宰の超絶技巧であるとするのは、禁忌である。虚構の気配を消したと見える超絶技巧ではあるが、漠とした道に催眠術にかかった狗のように太宰は導かれているのである。  一方、「アメリカ」がF.Kafka の流転小説であるとするのも、禁忌である。漠とした道は、虚構のKarlの失踪となって展開すると見えるように、Kafka 自身の失踪、被追跡、被誘導となって伸びるのである。この失踪は、「私」のことが他の誰かのことになって見えない中間が暴露する大視症である。

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