Wednesday, January 07, 2015

碧空507 場所を占めない媒質変化の目じるし

507 場所を占めない媒質変化の目じるし  媒質変化の転写は、壁に投影された機織る女房の姿がなんと翼を広げた鶴の形をしている衝撃のように、若僧を写真撮影して現像すると、一滴の露が(消失点を占拠するレイ・ブラワーの死体なら、ブリキのバケツが)浮かび上がって来て、鳥肌立つ、というふうだ。  物と場所が解離しない(従って物が現実にならない)、その、ゴーストのかかった具体の、その正体や本質であるかのように一滴の露やブリキのバケツが振る舞う、衝撃と区別のつかない光が「霊能的」である。渡ろうとするトレッスル橋の半ばにして驀進して来る貨物列車の(死の)気配に隠れないゴードンの、その溶解と硬直を「金属の蛇」は転写しているが、「金属の蛇」の、衝撃と区別のつかない光は、媒質変化の目じるしでもある。  Jesus Christ (not of the world )の、地上に転写された影は、現像して浮かび上がるまで時間がかかる。すなわち、釘づけの磔刑の十字である。しかも、消失点を占拠した死体を現像すると浮かび上がって来るのが、誰に入れ替わったのか分からない「復活」なのである。こうした模写・転移発作的転写は鳥肌立つ限りで「霊能的」であり、場所を占めない媒質変化の目じるしになる。  「復活」を抱き竦める媒質変化の転写は、どのようなものだろうか。その目じるしを辿っていけば、それは、こちらからは見えないがむこうからは見える存在の系譜をいつのまにか辿っていることが明晰に分かる。

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