碧空777 「不完全な呼吸」に息衝き余る
777 「不完全な呼吸」に息衝き余る
ヤーウェがユダヤの民に贈ったのは、救出を待つ症状である。雑種の探究は、反ヤーウェ的な実験であるが、雑種の半具体性は、ヤーウェ的な贈り物である。
スフィンクスはそもそも雑種であって、その半具体を発見されたがっていて、通りかかる旅人に問いかけないではいられないのである。ところが曠野遍歴のオイディプスの困難な歩行の場合、曠野の化身であるスフィンクスを既に盲いているようにして手探りしてみてモシヤコレハ「私」ノ相貌デハと驚くふうなのだ。スフィンクスが謎々を吹きかけるのは、モーセを器官の延長にして石板に十誡を書き込むように「狐狗狸さん」じみている。
モーセの曠野遍歴であれ、オイディプスの彷徨であれ、その大気は「不完全な瞬間」であって「不完全な瞬間」を呼吸するのは、シジフォスに圧しかかる劫罰のようなもので、初めてではないのに初めて差しかかる、といった「不完全な呼吸」に息衝き余るのである。
ヤーウェがモーセに贈ったものは、この、別の誰かに贈られたかのような「家まで案内されるが中には入れない」(「日記」1921年、F.Kafka )不可解な運動である。それは締め出しとも監禁ともつかないが、目は蔽いかけている。カフカに贈られた性にも、この運動は転写される。


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