碧空780 舌打ちする「高度の観察」、舌を出す「告白」
780 舌打ちする「高度の観察」、舌を出す「告白」
いや継ぎ継ぎの祖先、結婚、子孫のただ中に呼び出されているのに待機状態のままの「独身者」の、その「高度の観察」の固有の法則に従って、具体と抽象の間にオドラデクは躍り出る。この韜晦の発作的な狙いは、この世のものであろうとして鏡をのぞき込むと部屋が映ってしまうというような、或いは、そうした輪郭喪失を下肢の腫瘍(はれものとなって顕れた彷徨)で発作的に模写するというような「高度の観察」が「告白」に解消してしまわないためである。しかし、その差異は見極め難く、擬態の気配をあるいは消しあるいは消せない「変わり易い力」と、虚構の気配をあるいは消しあるいは消せない「変わり易い力」との違いである。そもそも擬態も虚構も、その野心(本能)はその気配を消すことであるから、「高度の観察」は暴かれなさに舌打ちし、一方、「告白」は隠れなさに舌を出す、というふうだ。


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