Tuesday, April 24, 2018

碧空1238 MOON WALK156(追跡を躱して他の誰かとなって旅立つ効果)

1238 MOON WALK156(追跡を躱して他の誰かとなって旅立つ効果)  事故が惹き起こした昏睡状態から出て来た植物学者Martin Harris が前触れる陰謀全体との関係となって、出現する客体は、Martin Harris 博士が世界の始まりの痕跡だということである。M.Harrisは昏睡に身を潜めるようにして世界の始まりに先立つ。この、部分と全体の間の決壊は実体の揮発であるが、部分と全体の間の解離はM.Harrisを事実としてか扱わない。M.Harrisは自らを植物学者として記憶を取り戻し始めるが、手繰る手掛かりの先でなんともう一人のMartin Harris 博士を発見してしまう。  これは、青いガーネットを盗んだ犯人が隠し場所とした鵞鳥が瓜二つの鵞鳥に分裂したために青いガーネットが行方知れずになったように、瓜二つの履歴に分裂して植物学者M.Harrisの記憶が出自不明になって宙に浮くのである。一次的M.Harrisの、その、他の誰かとなって想起する献身は「何も身に覚えがないのに追われている!」に変装して迫る。二次的M.Harrisは、のぞき穴が(盗まれていないかのように)盗まれる効果に包まれた一次的M.Harrisの鏡像、すなわち、一次的M.Harrisが鏡をのぞき込むと別の顔をしたM.Harrisに身を窶しているのであるが、この盗まれた履歴が暴かれないのか、隠れないのかは、奇妙な財産である罪が盗まれるか、盗まれないかにかかっている。  凡そ探索や探究は罪が盗まれていて、その暴かれなさは自由と度忘れしていることと区別がつかないのであるが、植物学者M.Harrisが追跡を躱して他の誰かとなって旅立つ脱出は、自由とも何か違うし、度忘れしていないというのでもない。のぞき穴が(盗まれていないかのように)盗まれる効果は、なおもつづく。

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