碧空1326 MOON WALK244(身代わりのプロット)
1326 MOON WALK244(身代わりのプロット)
拉致されるように王の血が混じったソフローニアが拉致されるように森に追われ拉致されるように遍歴の騎士に救われ、拉致されるように修道院に入り拉致されるように北方の海賊に攫われて拉致されるように東方の王の側室に身を窶し、拉致されるように難破して拉致されるように息子トリスモンドとまぐわう。しかし実は、トリスモンドは王妃が王の長い不在の間に誰だか分からない聖杯の騎士との間に孕まれた子で、王妃が孕んだ娘ではないソフローニアとは血の繋がりはなく、この対い形成は禁断ではないかに見える。
しかし、ソフローニアは(被拉致と被翻弄を強迫的に即興的に反復して)トリスモンドの出現を遍歴の騎士アジルールフォの出現と取り違えて間に合わせているのも同然で、この身代わりのプロットは、個と種が解離しない媒体性が客観に転写されると個と種が解離した姦通性に見えるということである。(MOON WALK243)
鶴女房と呼ばれる「拷問と変身」は、種の夢が個となって次元跳躍する媒体を客観に転写する隠喩としての「私」が他の誰かとなって想起する献身が、後れて来る主体には、取り返しがつかないほど特別であることと無差別であることが解離しない責め苦に屈折し、その「拷問と変身」が壁に異形の影を写す鶴女房の失踪であるが、遠近法のなかでは、個と種が解離する(あるいは、乗り移って来る限りで分身する)姦通の技術に見える。


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