碧空1459 MOON WALK377(完全犯罪の激情)
1459 MOON WALK377(完全犯罪の激情)
完全犯罪の表現は、打ち消されたプロットである。遁走に見える慈海の失踪を物語るのは慈念にできた人面瘡の腹話術であるが、それは、慈海が分身するほどまでに器官を延長したはずの先で不覚にも慈念の才槌頭となって闇に葬られるべき存在であることを想起してしまうのである。
こうした拈華微笑は、プロットを想像妊娠したかのように打ち消してしまう。闇に葬られるべき存在を発見したのは才槌頭であるのに、その奇形性はその存在が祟っている献身であって、その(突如何もかも贋物じみる)献身の二重性を、後れて来る主体は暴けない。それは、後れて来る主体が展開するそばから歴史的に保留するか、途中までしかやって来ない世界の終わりかなのである。
つまり、どんなズーム・アップを以てしても順次、失踪することになって、それは展開に見えるが、世界ガ終ワッテイル!ことに面して、狼狽から、世界ガ終ワッテイル!ことの(次元減衰した)断面を見せる転移発作である。すなわち、何事モナカッタカノヨウニマタ一日ガ始マッタ、と分節されるような次元減衰が完全犯罪の激情なのである。
それは、世界の終わりが途中までしかやって来ない不完全な出来事、不完全な場所であるという奇妙さであり、慈念の失踪は、物語からの生還を暗示している。最終状態に辿り着かない旅愁、すなわち空腹の旅が始まっているのである。


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