碧空1810 nautilus153(その分だけゴーストがかかって迫る畸形化)
1810 nautilus153(その分だけゴーストがかかって迫る畸形化)
ハンニバル・レクター(Thomas Harris )の記憶は、霊的命令になって上り詰め、unlearn しないではいない。その、忘れないように忘れる想起は、知覚と想像が解離した1知覚的現実、2想像的現実、3夢のように知覚と想像が解離しない現実、というように三相の現実に分岐するが、その、霊的でなくなる亡命の諸相はどれも漠として不随意である。
現実の相の違いはあれ、この世のものの具体性はどれも具体であるのに、霊的でなくなることは何か不随意にして何か不明瞭である。ハンニバルの解剖の写生図が臓器や組織の写真より明快に感じられるのは、その具体(臓器や組織)の場所となって潜伏した形式とは別の形式を、その具体に与え、というよりその別の形式を忘れないように忘れる気配が、写真より解剖図の方が「忘れないように」へ重心を移していて、その分だけ、この霊的抽象が具体に戻るunlearn はゴーストがかって迫るのである。明快の正体は、この、重心を移す畸形化である。
どんなに緻密にして繊細な写実も肺腑を抉るように迫るとすれば、それは畸形化の精であるが、真に迫ったからだと誤解され易い。しかし、真というものを形式(問)として限界づけるのであれば、正に真がかって迫るのである。


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