Sunday, July 06, 2025

碧空3605 nautilus1948(時間の破断)

3605 nautilus1948(時間の破断)  分業の歯車の社会性は姿を現わすために、諦念的な行動様式から逸脱したかに見える歯車の孤独となって、姿を消す。孤独と社会性は、鏡をのぞき込み合うシャムの双子である。  時計がひどく遅れてしまった浦島は、そうしたシャムの双子の影を壁に写す歯車であって、逸脱して自由に見えるのは屈折に過ぎない。亀を子供たちの残酷から救い出すなどという気まぐれは、苛酷な社会性に雁字搦めになった歯車であることからの(他の誰かの器官の延長になるまでに器官を延長する「私」からの)逃避である。時計がひどく遅れ出すのは、この逃避が濃厚な眠気となってメランコリーが蔽いかけるのである。  誰も見つけに来ない海底で面白おかしく三日を過ごして焦れた浦島は恐る恐る失踪を解いて陸に上がって来るが、メランコリーは四百年の経過となって打ち上げられる。その猛烈な眠気と韜晦とは、投げ返してもまた上がって来る。一体、この「私」は誰の「私」なのか。  この、狐につままれたような懐疑は、他の誰かの器官の延長になるまでに器官を延長する「私」を再現する時間の、破断である。

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