Thursday, June 21, 2018

碧空1277 MOON WALK195(失踪の再発、括弧憑きの失踪)

1277 MOON WALK195(失踪の再発、括弧憑きの失踪)  他の誰かとなって想起する献身が解離した擬態が、解離しない裂目(葛藤)を覆蔵するのはまるで禁忌を隠すかのようであるが、この、問と解の間の、個と種の間の、部分と全体の間の決壊の覆蔵は、自然の秩序である差異が熱平衡に陥らないように輪郭づける情熱である。しかし、この情熱は平均化と提喩の情熱、法則的、歴史的であろうとすることであるから、熱平衡に向かって輪郭を喪失する傾向と、部分が全体を代表して熱平衡に反抗する傾向との葛藤を抱え込んで、矛盾が再発している。 「それはアンスル・ボルンという30歳の巡回牧師で、ある日(1887年1月17日)彼は銀行から551ドルの預金をおろし、突然グリーンから失踪、2ヶ月の間行方不明であった。この間彼はA.J.Brownと名乗ってペンシルベニアのノーリスタウンで小さな雑貨店を切りまわし、仕入れ万端を立派にやっていた。しかもこうした仕事はそれまでに一度もやったことがなかった。1887年3月14日、彼は突然覚醒して家に戻ったが、その間のことは完全に忘れていた」  これは、失踪の再発で、失踪あるいはmetamorphosis が零落して、括弧憑きの「失踪」に変装して解明されたがっている。失踪と「失踪の」間に、解明されるはずの罪の起原と強迫の源泉が、滾々と(あるいは昏々と)蛹睡している。

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