Monday, November 12, 2018

碧空1372 MOON WALK290(後れて来る深い暗示)

1372 MOON WALK290(後れて来る深い暗示)  雁行を見た記憶、一体本当に雁行を見たことがあるのだろうか。後発催眠術にかかったように空に何か動く影があれば本当の雁行となって現われるような深い暗示、雁行を本当に目撃する衝動に高じるような個を超えた深い経験というようなものがあるのではないか。春至って素材が小鳥の足元に集められているのではないのに小枝や藁を編む巣造りの衝動に襲われているような動作をする真空反応の如く、記憶もないのに記憶よりも深々とした経験が真空で雁行を見るふしぎな魂、記憶の私有を脅かすような半現実になる。  こうした雁行が見たことにならないのは、それが(鶴女房が壁に写す影のように)見てはならない雁行だからである。  言葉の深い半現実性も後れて魂(深い暗示)になる。途中までしか来ない世界の終わりのような雁行が約束のしるしの覚醒であるような、見てはならない(見たことにはならない)約束のしるしになる。自発性の濃厚な受身、尊敬、可能の区別がおかされた種の夢になるのである。

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