Sunday, March 08, 2020

碧空1690 nautilus33(天使が魅(さ)す瞬間)

1690 nautilus33(天使が魅(さ)す瞬間)  夏空を背景に蜘蛛の巣を占領する沈黙は、あるいは真夏の午後の沈黙を占拠する蜘蛛の巣は、洞窟の奥行のようで谺は井戸のように深々として思わず石を投げ入れて耳を澄ましたくなる。一人で居過ぎたその片隅は、しかし呼び出されていることが、「私」というものを脅かす絶対服従が、身に覚えのない追跡の気配に変装して迫るのである。そのようにして、この片隅は躁ぐ。  (解離して)曖昧性に零落していた矛盾が解離しないで、その、天使が通りかかる天使の瞬間とは、漠として予期していた「モナリザ」が具体となって姿を現わす即興と自ら自らを追い越す光景、魔が魅(さ)すといわれる如くに天使が魅(さ)して、珍しい爬虫類の呼称のようでも個の呼称のようでもある「モナリザ」は鏡像を乗っ取る。鏡をのぞくと「モナリザ」なので驚く、というふうなのだ。  この片隅の現在は初めてなのに初めてではなく、何か絶対服従を躱せない。  何か憂いが覆いかけて、それは湧き出す時間と区別がつかないが、こんな片隅がどうして世界の終わりを躱せないのだろう、というふうなのだ。  こうして、天使が魅(さ)す瞬間は、一体真に迫ることなのか、追跡の気配が迫ることなのか分からない片隅の拡張である。

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