碧空1957 nautilus508(焦燥の変容、その3モード)
1957 nautilus508(焦燥の変容、その3モード)
山のかなたの見知らぬ町は、疾しさの位格(ペルソナ)の一つ、後れて来る場所の、その顕在化した焦燥の変容にして、もう一つの変容はタイム・スリップであるが、タイム・スリップして姿を現わす、その、何かずっと手前のどこかで乗っ取られてしまっている思いは変わらない。それは、贖罪だろうか、救済だろうか。
「それはアンスル・ボルンという30歳の巡回牧師で、ある日(1887年1月17日)彼は銀行から551 ドルの預金をおろし、突然グリーンから失踪、2ヶ月の間行方不明であった。この間彼はA.J.Brownと名乗ってペンシルベニアのノーリスタウンで小さな雑貨店を切りまわし、仕入れ万端を立派にやっていた。しかもこうした仕事はそれまでに一度もやったことがなかった。1887年3月14日、彼は突然覚醒して家に戻ったが、その間のことは完全に忘れていた」
この幽霊性や独白的対話はタイム・スリップのモードにスイッチされるはずだが、その中間のモードが、「Wakefield」(N.Hawthorne)である。Wakefield が起こる場所と、失踪してWakefield が起こるはずの後れて来る場所は解離していない。Wakefield は、そうした中間に吸い込まれるように脱け出せない。


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