Friday, August 09, 2024

碧空3274 nautilus1617(今にも何か増殖しそうな気配のオドラデク)

3274 nautilus1617(今にも何か増殖しそうな気配のオドラデク)  オドラデクは他にもいるのだろうか。目の前のこのオドラデクは、この間のあのオドラデクなのだろうか。オドラデクはオドラデクを孕んで、今にも何か増殖しそうな気配なのだ。  種と個の中間からの脱出の試みは頓挫するが、脱出したかのように見せる個体識別の技術が、解離である。傷痕をつけるようにして標識を装着することで済ませる個体識別の強行は、傷痕の個体識別は省略してしまう。しかし、種の検知が予定調和的、霊的であるように、個の検知も予定調和的、霊的で、何か逃れ去るように増殖する気配であるから、個体識別の精度をさらに一段上げる野心からは標識1に標識2を、標識2に標識3を、というように果てしもなく、穴の開いた甕に水を満たそうとするようなものである。  もう一度同じ人生をやり直してもいいと豪語する福沢諭吉が、もう一度咸臨丸で海を渡ってウェブスター辞典を購入し、既視感が襲う如く、同じページを開いて同じ単語を探す、それは、初めてなのにいきなり二回目なのである。つまり、この「同じ」は個体識別のために個と種を同じではないのに同じと見なす解離ではなく、解離しない種と個の中間に被曝するのである。  傷痕を刻むようにして言葉は、種の媒体であるオドラデクを個別化すると同時に一般化する。種と個の中間を解離してコピーするのである。刻まれた名は「私」の如く個体オドラデクの標識になるが、それは、全体が部分の振りをして全体を孕む魔術的生殖である。1=0.9 ・・・の如く、いつまでもオドラデクにならないことがオドラデクなのである。

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