Friday, February 22, 2013

碧痕279 量的接触、「力の接触」

279 量的接触、「力の接触」  うむをいわせない目撃の報告は困難を極める。場所を占めるようにし、真偽はどうでもいいのではないようにしようとしているものは、場所を占めず、真偽はどうでもいいからである。幽霊船やUFO は実在するか、というような問は難解というより愚劣でさえある。というのも、その目撃に於いては、実体も場所も打ち消す力を欠いているからである。  幽霊船やUFO の存在は、写真撮影といった方法で補強し証ししようとしたり或いは極端に私的な経験として秘蔵しようとしては却っておかされてしまうが、それは、幽霊船やUFO の目撃報告からして幽霊船やUFO が場所を占めるものではないからである。UFO が廃墟や満月に潜んでいそうなのは、UFO が廃墟や満月を占めるのではなく、廃墟や満月がUFO を占拠するのであり、量的接触に「力の接触」が出現すると同時に潜伏してあふれ出しているのである。the Flying Dutchman が喜望峰沖に幽霊船として姿を現わすのも「力の接触」が横溢しているのであり、しかも、最後の審判が既に始まっている、といった別の惑星の気配に喜望峰沖は被曝している。それは、二重の占拠、二重の通過である。  witness の照準は、天使や復活や奇蹟から幽霊船やUFO に移っているが、witness は写真撮影ではない。しかし、写真撮影の如く報告されている目撃がある。Mona Lisa である。そこでは、Mona Lisa を占拠する荒野をMona Lisa が占めるように現像されているが、超個体的なものの占拠すなわち宙に浮くこと(何処デモナイコト)が放浪する微笑を以て発作的に模写されている。微笑は曖昧な口元にはない。量的接触が「力の接触」を模写し、その何処デモナサを陰毛や腋毛や眉毛、頭髪などの胚的分布のふざけきった根拠ノナサが顔から一本残らず体毛を抜き取ることを通して、更には放浪する微笑の位置異常を通して模写する。それは、マリアに顕れたテロルに面してマリアがどのような顔面発作を以て模写したかの探求の痕跡である。  Christina's World(A.Wyeth)の、タイム・スリップしたような衝撃や妊娠状態、位置異常、すなわち「クリスチーナの出そうな場所」と呼びかけたくなるのは、Mona Lisa、幽霊船、UFOとエコーして来た青い水脈がそこで地表に出て屋根裏を流れているからである。

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